VOICE8年ぶりの受験
私が統計検定1級統計数理の合格をいただいたのはこれが初めてではありません。前回の受験は8年前で、その際は当時の最年少合格賞をいただきました。8年間で最年少記録が次々と更新され、現在は中学生の合格者がおられることにはただただ驚きと敬意を表するばかりです。一度合格した試験に再度挑戦しようと考えたきっかけは、数理統計学の基礎知識の重要性を再認識したからです。
私は将来、日本においては医学部出身の研究者が非常に少ない医学統計学の領域で活躍したいと考えています。前回受験からの8年間、疫学・公衆衛生・循環器内科の領域を中心にデータ解析の経験は一定程度積ませていただきましたが、基盤となる数理的な側面が徐々に疎かになり、周囲の研究者との差別化を図ることができなくなりつつあることに強い危機感を感じていました。今回、統計検定合格を1つの目標として、数理統計学の基礎理論の学習を1から再度行うことにしました。
勉強を始めた当初は戸惑いの連続でした。試験の難易度が大きく変化していた上、参考書やウェブサイトが発達し受験者全体のレベルも飛躍的に上がっていました。試験勉強においては『データ解析のための数理統計入門』(共立出版)にターゲットを絞り、試験本番までに演習問題を4周程度解きました。試験1ヶ月前には統計検定1級統計数理の過去問を7〜8割程度回答できるようになりました。統計検定1級の対策書籍としては『現代数理統計学の基礎』(共立出版)が有名ですが、合格を目指す上では『データ解析のための数理統計入門』で十分事足りる印象でした。試験本番は時間配分に苦労しましたが、参考書の類題が複数出題されたことも幸いし、8年前逃した優秀成績賞をいただくことができました。今回の受験を通じて得た知識や経験を、今後のより専門的な勉強や研究に活かしてくことができればと考えています。