INTERVIEW統計検定2級取得が社員の1割、会社の勉強会から生まれた人気サイトを軸にした取り組み

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株式会社社会情報サービス

(左から)

アプリケーション・ソフトウェア局  ソフトウェア製品部(ベルカーブ) 平出 託海さん

アプリケーション・ソフトウェア局  ソフトウェア製品部(ベルカーブ) 石村 ひかりさん

ヘルスケアビジネスインテリジェンス局 RP&DB部 Patients Mapチーム 小谷 智美さん

企業の取り組み

医療製薬業界の調査を行う会社に必要なスキルとして、統計検定を導入しました。勉強会のために構築された「統計学の時間|統計WEB」をもとにした2級取得のための学習を、おもに新入社員を対象に推進しています。

統計検定2級を目指して

統計検定の必要性をどのようにお考えですか。

小谷智美さん(以下、小谷)|私たちの会社はデータを取り扱う調査会社であり、また統計解析のソフトを販売していることもあって、統計学の知識は必要なスキルだと考えています。検定では統計学を体系的に学んだうえで、その知識を指標として示せることも、有用だと思っています。

指標として、統計検定の種別で目指すところはありますか。

小谷|まずは調査事業部門のスタッフに2級を目指してもらっています。今はアルバイトや派遣も含めると社員が140名ほどいて、調査事業部門は80名ほど。そのうち2級に合格しているのが13名なので、会社全体では1割ほどが2級を取得しています。

 

※統計検定の種別は1級・準1級・2級・3級・4級とあり、そのほかに統計調査士・専門統計調査士やデータサイエンス基礎・発展・エキスパートがある。

調査事業の対象は、どのような会社でしょうか。

小谷|医療製薬業界の会社がほとんどです。薬剤を売るための課題は様々あります。薬を上市(じょうし:はじめて発売すること)する前後で製薬企業の方が行う調査のお手伝いをしています。

統計検定を導入した経緯を教えてください。

小谷|10年ほど前、「BellCurve(ベルカーブ)」というソフトウェア販売部門のスタッフが統計検定に合格しました。彼らに依頼して、調査部門でも統計学の知識を持つスタッフを育成するために社内で5、6人集めて勉強会をはじめた。これがスタートでした。

調査事業部門としては、クライアントから統計解析をしてほしいという要望があったときに対応できるようスタッフを育成したいという目的がありました。

最初に合格した方は、どうして受験したのでしょう。

小谷|BellCurveでは統計解析ソフトを開発、販売していて、そもそも統計学の知識がないと対応ができないということもあり、勉強をはじめたそうです。

あとはBellCurve部門として「日本の統計学リテラシーの向上をサポートする」というミッションがもともとあったようです。世間一般に広めたい、まずは会社から。だから調査部門と互いのニーズが合致したのだと思います。

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勉強会と自社サイトで

勉強会が始まった当初は、どのような感じだったのでしょう。

小谷|私は、初期の勉強会には参加していなかったのですが、勉強する時間を業務時間内に取ることができるのは「いい動きだな」と思っていました。合格したら検定費は補助してもらえますし。

具体的には、どうやって勉強するのでしょう。

小谷|初期の勉強会では先にBellCurve部門の3名が2級を取得していて、彼らが講師をしていました。

当初は毎週1時間、集合して勉強をする会を設けて、半年かけて2級合格を目指すというスケジュールで進めていたようです。

その勉強会を通じて統計WEBに新設したのが「統計学の時間」というコンテンツです。社内に限らず、広くみなさんに統計学を学んでほしいという思いがあったようです。

統計web@2x

統計WEB
https://bellcurve.jp/statistics/course/

 

総務省の「なるほど統計学園」と同レベルで有名なサイトですよね。

小谷|おかげさまで毎月100万PVを超えているようです。「統計学の時間」を新設したのが2016年です。今は統計学を学べる無料サイトはたくさんあるようですが、当時はそういったサイトはありませんでした。

現在の勉強会は集合しての勉強会ではなく、eラーニング形式の勉強会になっており、2級合格を目指せるサイトを設けて、各自が好きなタイミングで学習をしていただいています。弊社の社員は、ほぼ中途採用ですので、新入社員といっても入社時期もスキルもバラバラです。集合して勉強会をするよりは、各自の好きなタイミングで学習を進めるのが良いかと思います。

eラーニングは社内用ですか?

小谷|はい。自社開発に近いですね。過去問題を交えながら、作成しました。

小谷さんご自身は、どうやって学んだのですか?

小谷|私が統計検定の勉強をはじめたのは30代半ばを過ぎてからで、勉強会に参加しても「分数ってどうやるんだっけ?」とか、すっかり忘れていて、学生時代の数学の初歩の初歩から学び直しました。

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統計学の知識はあって当たり前に

小谷さんは人材教育に関わっていらっしゃるのですね。

小谷|はい。ヒューマンリソース室に所属しつつ、調査部門に入社した新入社員への入社時の教育を行っています。私はもともとアルバイトでこの会社に入って、調査のお手伝いをしていました。正社員になってからはリサーチャーをやりつつ、弊社で販売するデータベース製品の営業をしたりしています。

データ分析や集計に関わっていましたので、そういった技術や知識を新入社員に教えています。その一環で、統計検定も新入社員に勧めています。

新入社員の統計学勉強のきっかけとして、初期研修期間に、「統計学の時間」を1日に1項目ずつ読んでもらっています。このサイトでは、難しい言葉はほとんど使っていないですし、わかりやすいです。私はこのサイトで2級を目指せましたので、学習しやすいと思いました。直近で入社した調査部門のスタッフは、ほとんどが2級の学習を進めている状況です。

成果を感じる場面はありますか?

小谷|実務で統計解析をする頻度は多くないようですが、対応できる者が増えました。打ち合わせで「多変量解析を提案してみようか」など、そのような話を以前より聞くようになりました。お客さまからの要望に対応できる、ご提案ができる。そういったところで有用だと思っています。

小谷さんは、いつ統計検定を受けたのですか?

小谷|リサーチャーとして正社員になったときに、担当したクライアントが統計学の知識を求めてくる方でした。その方は、もともと一般消費財の会社でリサーチをしていて、製薬業界に転職された方だったようですが、なにかと統計解析を求められる。それがきっかけでした。

それで先ほどのようなやり方で勉強をして、2級を取得したのですね。

小谷|はい。私は2級を受けることで社会人として学習する基礎ができましたので、それはとてもいいきっかけでした。

今は高校生でも2級の範囲の学習をしていて、今後、社会に出てくる人たちはデータサイエンスの基礎知識を持っている人ばかり。今いる人たちも、統計学の知識を持つのは重要なことだと思います。

DSC03897_re@2x——今回のインタビューを通して、社員の皆様が日々の業務において統計知識を活かし、成長されている姿勢に感銘を受けました。小谷さん、お忙しい中、貴重なお話をお聞かせいただき、誠にありがとうございました。

 

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