NEWSダイキン工業株式会社での取組事例を掲載

100人で統計学を学ぶ

ダイキン工業株式会社は、空調機器や化学製品などを取り扱うメーカーです。近年のAI・IoTテクノロジーに対応した人材を育成するため、弊社では「ダイキン情報技術大学」という社内研修プログラムを実施しています。昨年(2018年秋)、ダイキン情報技術大学に所属する新入社員100人ほぼ全員で統計検定2級の受験をし、さらなる挑戦をしたい人は統計検定1級を受験しました。

受験の目的

統計検定を受験した理由は、データサイエンスに統計学の知識が必須だからです。データの前処理などで平均値や中央値といった統計量を見るため、統計学の知識は欠かせません。統計学を勉強する上で、統計検定はよいマイルストーンになります。統計検定に合格する、という明確な勉強の道筋を示すことで、各自の勉強意識を高めることができました。

学習の取り組み

統計検定の受験を決めたのは夏がひと段落した9月初旬でした。9月以降、機械学習やプログラミングの学習に並行して、統計学の勉強をしたり、統計の問題集を解いたりする人が少しずつ増えました。試験直前の11月には、本格的な勉強のために、業務時間の一部を統計検定の自習時間として設定しました。自習時間中は各個人が自主的に課題を設定し、中にはチームを組んで勉強をする人もいました。その結果、2級は受験者の約8割が、1級は7名が合格しました。

受験してよかったこと

統計検定を受験してよかったことは2点あります。1点目は、統計学について体系的に学習できたことです。統計検定の問題は統計学を理解するのに必須の範囲から網羅的に出題されており、必然的に統計学全体を理解することが出来ました。2点目は、ヒストグラムなどを見て分布を考える習慣がついたことです。統計検定を受験する前は、データ分布のヒストグラムや主要統計量を見る人は少なかったですが、統計検定受験を経て、統計的に正しいアプローチを意識することが出来るようになりました。

今後の展望

今後、ダイキン情報技術大学にいる新入社員はAI・IoT人材として様々な部署で活躍し、社内外のデータ活用を促進してくれるでしょう。その中で、統計検定の勉強で学んだ知識は大きな支えになると思っています。ダイキン情報技術大学には今年も新入社員が100人入ってくる予定ですが、彼らにも是非統計学を学んでほしいと思っています。

 

統計検定を活用する皆様へのメッセージ

近年機械学習を気軽に使える環境が整ってきており、「よくわからないけどとりあえずAIにやらせてみたらいいだろう」と丸投げすることもできてしまいます。しかし「ガベージイン・ガベージアウト(ゴミのようなデータからはゴミしか生まれない)」という言葉があるように、コンピュータに計算させる前にデータの質を見ておくことは重要です。統計検定を通して統計学を学ぶことで、そのデータに意味はあるのか、偏った集め方をしていないか、等の視点が得られます。
数式を用いた計算は今後も自動化が進んでいくでしょうが、どのようにデータを集めてそれを活用するかを考えるのは人間にしかできないことではないでしょうか。統計学を学ぶことで、多くの方が正しくデータを解釈・活用できる社会になることを願います。
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